傘の骨組みを直す少年の話
皆さんはバスに乗ってる時、スマホばかり見てると目の焦点が合わなくなるから外見ますか?
ぼくは昔から母親に「目ェ悪くなるから遠くを見ろ」と言われて育ってきたので、意識的に外を見るようにしています。
で、今日バスの中でずっと携帯ゲームに夢中だったので、「いかんいかん、目ェ悪なるわ」と思い信号待ちでふと窓の外を見ました。
そしたらぼくの目線の先に、傘の骨組みを必死に直す少年がいました。
かなりの突風が吹き荒れていたので、傘が見事に反り返っていました。
ちなみに、ぼくはこの傘が反り返る現象を「反・宮賢現象」と呼びたいと考えています。
(詩人・宮沢賢治の代表作「雨ニモマケズ」の冒頭部分を否定的にしたら
「雨ニモマケル 風ニモマケル」。順番的には、「突風のせいで傘が反り返る」→「雨にうたれる」なので「風ニモマケル 雨ニモマケル」のほうが正しいかもしれない)
...っで!(笑)
しばらく観察していたんですが、一向に直せる気配がなかったので
おそらく少年はずっとあそこで苦戦してたんだと思います。
ぼくはこの「反・宮賢現象」を経験したことが何度もあるせいか、少年を応援したくなりました。
しかし、その直してる場所が店前の駐輪場だったもんで、
「端に寄るんだ、少年!」
「迷惑そうに少年を見ている人が後ろにいるんだ、少年!」
「そこ邪魔だよ少年!」
「どかんかい坊主!」
と応援する気持ちはどこへやら。
結局あの少年はずぶ濡れで帰ったことでしょう。
スマホばっかり見てるとこういう面白い出来事も見つけられなかったよね。